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関西医科大学第3回市民連続公開講座
関西医科大学学長挨拶
関西医科大学学長 田代 裕
平成12年(2000年)10月21日(土)
関西医科大学南館臨床講堂
司会 松田教授(泌尿器科学)

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司 会(松田 公志・関西医科大学泌尿器科学教授) 皆さん、こんにちは。関西医科大学市民連続公開講座にようこそお越しいただき、どうもありがとうございます。この講座はことし、第3回になりますが、去年も一昨年もお越しいただいたお顔をたくさん拝見いたします。ごひいきにしていただいてありがとうございます。私はこの講座の企画をさせていただきました泌尿器科の松田と申します。きょうは司会をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 プログラムにございますように、この講座はことしも3日間にわたって行われます。きょうは第1回目で本学の学長が参っておりますので、まず田代裕学長からご挨拶をさせていただきます。

田 代(関西医科大学学長) 皆さん、こんにちは。ようこそ公開講座にご出席いただき、ありがとうございます。

 私どもの大学では3年前に創立70周年を迎えました。関西医大は昭和3年、初めは女子医専として創立しております。戦後、女子医大となり、昭和29年に男女共学とした際に関西医科大学と名称を変えました。附属病院は滝井の1000床の病院の他に、寝屋川に 350床の香園病院、枚方に男山病院がございます。そういったことで京阪沿線、いわゆる昔の北河内地区にずっとある大学であり病院でございます。北河内の皆様のご支援を得て、ここまで成長させていただきました。

我々も北河内の地域の方々のために何かをしないといけない。何をしようかというときに、講座を開催して医学の勉強を一緒にさせていただくことを考えました。今回はその3回目でございます。3回にわたっていろいろな医学の話をさせていただきます。

企画した目的、意義を考えてみますと、やはり皆さんの健康のために、またできるだけ長生きをしていただくために、このような健康講座が非常に役に立つのではないかと思います。ご承知のように生活習慣病という言葉がございますが、ちょっとした注意で長生きができる、病気が早く見つかる、また病気にならずに過ごすことができます。できるだけ皆さんに健康で楽しい生活を送っていただきたいというのが第1の目的でございます。

第2番目には、入院された方は皆さん体験されていると思いますが、近頃はお医者さんの診療の仕方も随分と変わりました。皆さんに、この病気はこういう病気です、こういう治療法がございます、どれを選ばれますかというふうな相談をいたします。医者が一方的に決めるのではないんですね。必ずこちらから説明をして皆さんに考えていただいて、皆さんに同意していただく、それを英語でインフォームド・コンセント (informed consent) 、「説明と同意」という訳語が与えられていますが、これを実現させることにあります。そのときに皆さんに医学的な知識が全くないと、どれを選んでいいかわからないということになります。これは非常に困ります。やはり皆さんに少しでも医学の知識を持って、選んでいただく。このことを是非やっていただきたい。そのためにはできるだけ医学的な知識を持っていただきたいと思います。

 もう一つの理由は、人の体は大変優れたものです。万物の霊長と申しますが、そのとおりで、人の体は60兆個の細胞からできており、その細胞の中にいろいろな機械が全部入っています。宇宙も非常に不思議な大きな世界ですが、細胞もそれに負けないような立派な精密機械がたくさん入っています。こういう人の体についても、非常におもしろい領域ですので知っていただきたい。特に最近遺伝子配列が全部わかってきたということは、設計図が全部わかったということです。これからは我々が生きている生き方のメカニズム、機構がわかるようになってくると思います。そうすると、病気がなぜ起こるかということもわかるようになると思います。そのような皆さんの体自身のことも知っていただきたと思います。

 第4番目に関西医大のいろいろな先生がここに出てきて話をしますので、関西医大の先生と知り合いになっていただいて、病気になったときに是非関西医大に来ていただきたいと思います。そういう目的でこの市民講座を始めました。

 医学は大変おもしろい学問で、ここでしゃべっていただく先生はその科に精通したベテランの先生ばかりですが、やはりなかなか言葉がわかりにくいこともあるかと思います。そういうときには遠慮せずに手を挙げて質問をしてください。皆さんにわかるようにちゃんと説明していただけると思います。

 最後に私がいつも思うことですが、本学の学生さんは一学年に 100人います。講義を一生懸命やるわけですが、学生さんは60%ぐらい出てきたらいいところです。この市民講座ではこの講堂にいっぱい出席していただいて、私はいつもこれを大変嬉しく思っております。どうか最後まで、いろいろな知識を吸収していただきたいと思います。

 今回の名簿を拝見しますと、京都市から随分来ておられます。箕面など遠いところからもおいでになっておられます。我々もできるだけのことをしたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。これで挨拶にかえさせていただきます。

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